こんにちは!
もうすぐクリスマスで街中がにぎやかになっていますね★
さて今回は、遭遇すると飼い主さんがかなりびっくりされるであろう「痙攣(けいれん)」についてお話ししようと思います。
皆さんのわんちゃんの中にも、てんかんなどでけいれん症状を起こしたことがあるという子もいるかもしれませんね。
また、今までけいれん症状が出たことはないという飼い主さんも多いかもしれませんが、もしもの時のために、正しい対処方法を知っておくといざという時に焦らずに済みますよ。
ー今日の目次ー
1.痙攣(けいれん)はなぜ起きるの?
2.痙攣(けいれん)症状にはどんなものがあるの?
3.痙攣(けいれん)症状が起きたらどうすればいい?
4.動画を撮っておく大切さ
5.こんな時にはすぐに病院へ!来院の仕方を知っておこう
痙攣(けいれん)はなぜ起きるの?
愛犬のけいれん症状は、飼い主さんにとってかなり非日常的な症状でしょう。
飼い主さんの呼び掛けにも答えられず、体をバタバタと動かしながらもうろうとしている愛犬を見て、冷静でいられる飼い主さんは少ないはずです。
けいれん中の様子はわんちゃんによってさまざまで、体をピーンと伸ばして硬直させたような様子を見せる子もいます。
けいれんが起きる原因にはいくつかあり、
● 特発性てんかん
● 脳疾患(脳炎、脳腫瘍、水頭症など)
● 腎不全
● 肝不全
● 低血糖
● 中毒(毒物の摂取)
などが代表的です。
中でもけいれん発作が最も多く起きるのは、てんかんや脳炎、脳腫瘍といった、脳の異常に関わるものが圧倒的です。
他にも、肝臓や腎臓など、摂取したものを無毒化できなくなったり、老廃物を排出するための尿を作る機能がなくなった時にも起こるということは、頭の片隅に入れておいてもらうと良いでしょう。
特に腎臓は、シニア期になるにつれて腎臓病として現れやすく、体の仕組みから猫ちゃんの腎不全に比べ進行が早いため注意が必要です。
痙攣(けいれん)症状にはどんなものがあるの?
皆さんは「けいれん」と聞いてどんなイメージを持っているでしょうか?
けいれんと一口に言っても、すべてのけいれんが全身をガクガク震わせて意識を失うというわけではありません。
例えば、脳の異常が原因で発作が起きている場合にも、脳のどこがショートしてけいれん症状として現れているのか、それによって症状の出方は異なります。
そのため、部分的なけいれんだと、わんちゃん自身の意識はあるけど思うように体が動かせないという事態もあり得るのです。
次の動画を見てみてください。
※発作が起きている最中のわんちゃんの動画です。苦手な方は避けてください。
これらは発作を起こしているわんちゃんたちですが、みんなそれぞれ違う様子なのがわかりますよね。
そのため、
「けいれんが起きたらわんちゃんたちは絶対にこうなる!」
「この病気ではこういうけいれんが起きる!」
というものはないのです。
また、緊張や寒さからくる震えのように、不安を除けば止まる、温めれば止まるというものでもありません。
痙攣(けいれん)症状が起きたらどうすればいい?
愛犬にけいれん症状が現れた時には、飼い主さんが冷静であることが1番求められます。
しかし、けいれんは急に起きる&予期せず起きることが多いため、あらかじめ「うちの子にももしかしたら起こるかも…」と準備しておくことが何よりも大切です。
もしも、けいれんが起きたら、
● 1.愛犬の体には触らない
● 2.最初に声をかけて飼い主さんに反応できるか見ておく(意識の有無)
● 3.愛犬の周辺にある危ないものを避ける
● 4.落下や交通事故の危険がある場所から少し移動する
ということを前提に行動しましょう!
けいれん症状は、大切な愛犬が苦しそうに見えるため、思わず抱きしめたりなでたりして治めてあげられないかと考える飼い主さんは多いです。
しかし、けいれんは一度始まれば、そういった外部からの接触刺激で治まることはありません。
むしろ、そういった刺激が脳への過剰な興奮を促してしまい、発作を悪化させてしまうリスクもあります。
たとえ愛犬が鳴き叫ぶ・吠える様子を見せていたり、失禁・泡を吹くような状態だったとしても、ぐっとこらえて頭をなでてなだめようとするのは避けましょう。
意識が正常に保っていない時には、飼い主さんのことを認識できず、激しく噛みついてしまうことも少なくないのです。
飼い主さんがケガをしてしまえば、愛犬を動物病院に搬送することができなくなったり、時間がかかる原因にもなります。
けいれん中に愛犬の体がぶつかってケガをする危険があれば取り除いたり、階段付近やトリミング台の上で起きて落ちる危険があれば、場所を1~2mずらしたり床に降ろしたりして、静かに見守るようにしてください。
動画を撮っておく大切さ
けいれん症状が出た時には何よりも、「そんな余裕ない!」と思うかもしれませんが、動画を撮っておくことをおすすめします。
先ほど見てもらった動画のように、発作の出方はわんちゃんによってさまざまです。
● 本当にそれがけいれんなのか
● どんな種類のけいれんなのか
● いつ起きたのか
● どれくらいの時間続いたのか
● どんな風に始まって、治まっていったのか
を、見ればすぐにわかってもらえるよう、獣医さん用として、また、自分と愛犬の記録用として保存しておきましょう。
けいれん中のわんちゃんの様子は、その時の状況を見ていない人に言葉で伝えようとすると、意外と難しいものです。
また、初めて愛犬のけいれんを見た時には、実際に起きていた時間が長く感じてしまいます。
本当は30秒ほどのものだったとしても、「いや、1~2分経っていた…」と時間感覚があいまいになることもあります。
こんな時にはすぐに病院へ!来院の仕方を知っておこう
次のようなけいれん症状が起きた状況では、必ず動物病院へ行きましょう。
特に、【2】や【3】のパターンでは緊急性があるため、たとえ時間外でもすぐに来院する必要があります。
【1. 初めてのけいれん】
初めてけいれんが起きた時に様子を見ようという飼い主さんは少ないとは思いますが、かかりつけに診察に行き、診察で今後の判断を仰ぐようにしてください。
元々持っていた持病がある場合にはなおさらです。
状況によっては、その病気が悪化した結果けいれんが起きている可能性もあります。
【2.24時間以内に繰り返すけいれん】
一旦治まったかと思ったのに、1日も経たないうちに再度けいれん発作を繰り返すような状況を、「群発発作」と呼びます。
たとえ発作が起きたのが初めてではなかったとしても獣医さんに診察してもらいましょう。
【3.いつまでも治まらない連続したけいれん】
特発性てんかんの発作では、数十秒から通常長くても2分程度で発作は治まり、後はケロッといつも通り過ごしている子も多いです。
しかし、発作が始まってから5分以上経っても治まらなかったり、治まりかけたかと思った発作が、愛犬の意識がないまま連続して起こる時には急いで病院に向かいましょう。
対応が遅れて発作を繰り返すと、命の危険に陥ります。
急を要する来院では、まずは動物病院へ向かう前に電話を1本入れておくと、動物病院側のスタッフも「緊急の患者さんが来るんだ」と準備がしやすくなります。
どれだけ急いでも病院までは数分は要することがほとんどのため、行ってから準備してもらうよりも、到着次第すぐに治療にあたってもらえるほうがわんちゃんの体の負担が減ります。
また、病院までの移動中、同行する家族がいなくて飼い主さん1人で搬送するのであれば、運転中の安全のために、自宅にある段ボールで構いませんので愛犬を入れてから移動してください。
座席にそのまま横にしておくと、万が一運転中に再度発作が起きた場合、座席から転がり落ちたり、ドアなどに体をぶつける二次的なケガにもつながります。
そして、愛犬に意識を向けた飼い主さんが、交通事故を引き起こしてしまう危険もあります。
そうなってしまえば、誰も愛犬を助けてくれる人がいなくなってしまいます。
搬送中は不安で落ち着かないかとは思いますが、深呼吸をして、飼い主さんが落ち着いて行動してあげてくださいね。
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